どうも、凡サラです。
僕のルーティンに、「世の中に出てきたばかりで、まだ日の目を浴びていないけれど、今からニーズがありそうなサービスを探す」というものがあります。要は、未来のワクワク探しです。
そんな中で見つけたのが「喪服レスキュー」
喪服×レスキュー。無人店舗×24時間営業。これまで見たこともない組み合わせで、「なんぞこれ」とついつい興味本位で覗いてみたら、これがめちゃめちゃ面白かった。
料金や使い方だけでなく、その裏にある社会の変化まで見えてきて、これは書かずにいられませんでした。
というわけで本記事では、サービスの中身から、今後のニーズやマーケットの状況を踏まえた考察まで、調べたことをまとめてみました。
1. いきなりですが、訃報の連絡って「仕事中」と「夜」に来ます
ちょっと想像してみてください。普通の平日です。
- 10:00 仕事中にお母さんから着信。「おじいちゃんが亡くなった。葬儀は明後日」
- 12:30 ランチもそこそこに、新幹線とホテルを予約
- 14:00 上司に休みの相談して、仕事の引き継ぎメモを書き始める
- 18:00 退勤。……はっと気がつく。「あ、喪服がまだ何も準備してない」
このあと自分の街の洋服店を回り始めるわけですが、もうどこもかしも閉まっているんですね。
これ、私の想像ではなくて、「喪服レスキュー」というサービスの代表がインタビューで語っていた、ほぼそのままの流れなんです。同社のお客さんは新幹線で帰省して参列する人が多くて、だから優先順位は「新幹線 → ホテル → 仕事の調整」で、喪服はその後回し。で、気がついたら夜。
ここに気づいたのがこのサービスの上手いところで、「喪服屋」なのに勝負どころは深夜0時〜朝6時なんですよね。誰も攻めていない時間帯を攻めている。これがまず一番の目新しさです。
2. 喪服レスキューって、ずばり何?
ひとことで言うと、無人店舗で24時間・試着できて・そのまま持ち帰れる喪服レンタルです。
これ、業界初の形態なんだとか。2022年11月設立で、2026年7月時点で全国21店舗、年内に40店舗へ倍増を目指してて、9月には大阪にも出店しました。
僕の地元・福岡にも2店舗だけ出店されてました。結構空いてていつでも借りられそう。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使い方 | スマホで予約 → 暗証番号で入室 → 1時間の完全貸切で試着 → 気に入ったものをそのまま持ち帰り |
| 料金 | ライト6,980円 / フルセット9,980円(6泊7日) |
| 小物 | メンズフルセットなら靴・ベルト・数珠・袱紗(ふくさ)まで。レディースフルセットならパンプス・バッグ・パール・数珠・袱紗まで |
| 返却 | 店舗持ち込み or 宅配。クリーニングは不要。提携クリーニング店(白洋舍の一部店舗)でも返却OK |
| 資金 | 2026年7月に約5億円を調達(いわゆるスタートアップの成長資金です) |
料金だけ見ると「え、買うのと大差なくない?」ってなりませんか。ネットの宅配レンタルなら4,800円前後からありますからね。
でもこの差額は「服代」じゃなくて、「今日の今この時間に、試着して、持って帰れる」っていう安心への代金なんですよね。
3. 何が新しいの? → 「24時間 × 試着 × 貸切」のかけ算
今までの選択肢を、さっきのタイムラインにそのまま当てはめてみます。
| 選択肢 | 大体の悩み |
|---|---|
| 買いに行く(数万〜10万円超) | 店が閉まってる。そもそも高い。体型が変わると入らない。保管場所も取る |
| 宅配レンタル(4,800円〜) | 試着できない。届くのは早くて翌日。サイズが合わなかったらもう手遅れ |
| 有人のレンタル店 | 夜は閉まってる(訃報は夜に来るのに) |
| 葬儀社の貸衣装 | 自分で葬儀社を決めた人しか使えない |
| 手持ちの黒いスーツ | 通夜ならギリ成立。でも靴や数珠の不足に気づくのは当日だったりする |
つまり「すぐ借りたい」「安く済ませたい」「ちゃんと試着したい」の3つを、どれかひとつを我慢すれば叶えられてた。
それを無人店舗はぜんぶ同時に叶えてくる。
無人だから24時間開いてて、無人だから人件費分を安くできて、無人だから「誰にも見られない空間」でゆっくり試着できる。制約を強みに変えてるのが、サービス設計として美しいところです。
もちろん弱点もあります。ここ、使う前に知っておくべきなので正直に書きますね。
- レディースのライトプラン(6,980円)は喪服のみ。靴とバッグは含まれません
- ワイシャツ(男性)・ストッキング(女性)は持参制。販売もしていないのでコンビニ調達必須
- 電話はつながらない(連絡はLINE・マイページ経由。返信は速いという口コミ多数)
- 和装(着物)はなし。洋装のブラックフォーマル専門
- 店によってはエレベーターなし・階段が狭いなど、建物の条件差あり
4. じゃあなぜ「今」伸びてるのかな? マーケットの話

ここからが本題というか、スモールビジネス目線の方に興味持っていただけそうな部分です。「便利だから」で5億円は集まりません。追い風が3つ重なってるんです。
① 多死社会が本格化してる 2024年の死亡数は約160万人で、統計を取り始めてから最多を更新しました。つまりこれから何十年も、1人あたりが弔事に駆り出される回数は増える一方。喪服が必要な場面は「増える」のに、です。
② 葬儀が小さくなった 全国の葬儀の約半分が家族葬、直葬(お別れ会なしで火葬だけ)も約1割。親族で「箪笥の喪服を貸し合う」文化が消えて、参列する側も各自で用意する時代になりました。支え合いのインフラが消えた分を、サービスが埋めてるんですね。
③ 「持たない」があたりまえになった 「夏用の喪服を持っていない」人が39.3%、「準備すべきと分かってるのにできていない」人が23.9%という調査(2026年7月)もあります。喪服って、使う頻度は数年に1回なのに、クリーニングから出しっぱなしで黄ばんだり、体重が変わって入らなくなったり。最良の状態で保管し続けるコストだけは延々かかる、実はかなりクセの強い商品なんですよね。「そのときの自分に合うサイズを借りる」が正解になりつつある、という手応えを数字が示してます。
5. 会社員目線: これだけは知っておきたい使いこなしメモ
- 迷ったらフルセットで予約。来店予約日時の2時間後までならライトへ変更できて差額は返金。小物の有無に自信がない人は、とりあえずフルで押さえて現地で減らすのが安全策
- 白ワイシャツ(男)・黒ストッキング(女)は忘れずに。深夜の来店前にコンビニへ
- 深夜の訃報でも組める: 「深夜に訃報 → 早朝に来店 → 朝一番の新幹線」が現実にできる。これがこのサービスの本領
- 評判は店舗ごとに見る: 口コミは各店のGoogleマップに溜まってます(例: 新宿南口店は平均4.8・283件、2026年8月時点)。階段の有無などは各店舗ページの「備考」をチェック
- 福利厚生で使える場合も: リロクラブ提携があるので、会社の福利厚生経由で優待できる可能性あり
ちなみに「通夜は平服でもよい」とされるのが一般的なので、間に合わないときは黒っぽい落ち着いた服で通夜、葬儀までに整える、が現実的な落とし所です(地域のしきたりがあればそちら優先で)。
6. 副業目線: この成長ストーリー、ヒントが濃すぎる

ここまで読んだ方はなんとなく察してると思いますが、この会社、もともと「週末起業」(副業)から始まってます。
- 共同代表の2人は大学の空手部の同級生。起業前に2年間で6つほどサービスを作っては、ぜんぶ失敗
- 最初の1年は喪服・葬儀マナーのメディア運営から開始
- 次に駅前で手渡しするレンタル実験で需要を確認(「知らない人から服を借りる」って結構ハードル高いはずなのに、それでも利用者が多かった → 課題が本物だと実感)
- 2022年12月に無人店舗1号店
- 店舗が2店舗になった時点で退職して専業化
- 2026年7月に約5億円調達 → 年内40店舗へ
この順番、スモールビジネス初心者へのプレゼントみたいな流れなので、分解しますね。
教訓1: いきなりモノを作らない。「書く・集める」から始めてる 在庫も店舗も、一番お金がかかるものを最後に回して、まずメディアで需要を測った。副業で最初に資金を溶かすパターンの多くは、この順番が逆なんですよね。
教訓2: ニッチとは「小さい市場」じゃなくて「みんなが着手しない条件」 喪服レンタル市場そのものは前からありました。でも「宅配は試着できない」「店は夜閉まる」という、既存サービスの間に落ちてる隙間を拾った。縦の競争(値下げ)じゃなくて、横の条件(時間帯・試着)で勝負してるのがポイント。
教訓3: 個人が真似するなら「無人店舗」ではなく周辺が狙い目 正直、無人店舗の模倣は副業に向きません。在庫投資・清掃と回送・賃料が重くて、資金調達した本家が全力で走る領域なので。一方で周辺には隙間が残ってます。
- 「急ぎ喪服」の比較・体験コンテンツ(緊急の検索ほど購買意欲は高め)
- 地方都市の配送型レンタル(大阪には「最短15分で届ける」自社配送型がすでにいる=つまり地方はまだ未充足)
- 数珠・袱紗・ストッキング・ワイシャツなど、本家が扱わない周辺小物のEC
- クリーニング店や葬儀社との返却・提携インフラまわり
教訓4: 感情の設計が看板になる 同社のコンセプトは「故人に向き合う余白を作る」。サイズが合わなくて、大切な祖父を想うどころじゃなかった——という創業体験がそのまま看板になってるんですよね。機能だけだと値段の勝負に落ちますが、気持ちの面を看板に持つと、広報も採用も資金調達も強くなる。個人のお店でも同じ構造、使えます。
7. まとめ
- 喪服レスキューは無人店舗×24時間×貸切試着で、既存の選択肢の隙間を正確に突いた喪服レンタル。21店舗(2026年7月)から40店舗へ拡大中
- 追い風は多死社会・葬儀の小規模化・「持たない消費」。伸びてるのは葬儀業界そのものより「参列する側の準備インフラ」
- 会社員としては深夜の訃報に備える選択肢のひとつ。フルで押さえて現地で調整、ワイシャツ/ストッキング持参が使いこなしのコツ
- 副業勢への学びは「メディア → 検証 → 店舗化 → 調達」の順番と、「ニッチ=着手されない条件」という捉え方
おわりっ。