
「いつかは起業したい」「副業で安定した収益を柱にしたい」 そう考えながら、何をテーマにするか悩んでいませんか。
多くの人は、既存の市場で「もっと高品質なものを」「もっと新しい機能を」と足し算の競争に挑み、消耗してしまいます。
しかし、わずか3年弱で会員数日本一に昇り詰めたチョコザップ(chocoZAP)の戦略は、その真逆を行くものでした。
彼らが狙ったのは、筋トレ愛好家が集まる「3%の市場」ではなく、運動に興味はあるけれど一歩踏み出せなかった「97%の未開拓市場」です。
なぜ、シャワーもない、スタッフもいない、マシンも最小限。
そんな「ないない尽くし」のジムが、月額2,980円で爆発的にヒットしたのでしょうか。
そこには、あなたがビジネスを立ち上げる際に絶対に知っておくべき「不の解消」と「合理的な引き算」のロジックが隠されています。
ビジネスモデル沼からハマって抜けられないの私からの視点から、チョコザップの成功を徹底解剖します。
この記事を読み終える頃には、あなたのビジネスアイデアを「戦わずして勝つ」形へアップデートするヒントが見つかっているはずです。
この記事をざっくり
- 高価格・高品質という常識を捨て、徹底的にハードルを下げたことが勝因
- 既存のジムが無視していた「運動嫌いな一般層」という巨大市場を独占
- 専門スキルよりも「始めやすさ」と「継続のしやすさ」を設計する重要性が学べる
なぜ「3%」を捨てて「97%」を狙ったのか

日本のフィットネス人口は、長年「全人口の3%程度」で停滞していました。
既存のジムは、このわずか3%のパイを奪い合うために、最新のマシンを並べ、豪華なプールを作り、パーソナルトレーナーを配置してきました。
しかし、チョコザップを運営するライザップグループが着目したのは、残りの「97%」の人々です。
潜在顧客の「言い訳」をすべて潰す設計
多くの人がジムに通わない理由は、実はシンプルです。 「月謝が高い」「着替えるのが面倒」「ムキムキの人に囲まれるのが恥ずかしい」。
これらはビジネス用語で「心理的・物理的障壁」と呼ばれます。
チョコザップは、これらの障壁を一つずつ丁寧に、そして徹底的に排除していきました。
まず、価格を2,980円(税込3,278円)という、飲み会1回分よりも安いサブスクリプション(月額定額制)に設定しました。
次に、最大の発明とも言えるのが「服装自由・靴の履き替え不要」です。 スーツのまま、あるいは買い物帰りの格好で、5分だけマシンを動かして帰る。
この「コンビニのような気軽さ」が、これまでジムを避けてきた層の心を掴みました。
競争のない「ブルーオーシャン」の創出
ブルーオーシャン戦略とは、ライバルがひしめく市場(レッドオーシャン)を避け、競争のない新たな市場を切り拓く手法を指します。
チョコザップは「本格的なトレーニング」という価値を捨て、「健康のきっかけ作り」という新しいカテゴリーを創出しました。
その結果、競合他社がマシンのスペックを競っている間に、日本中に「ちょこっと運動する」習慣を持つ100万人以上の会員を囲い込むことに成功したのです。
徹底した「引き算」がもたらす驚異の収益モデル

チョコザップの凄みは、単にユーザーに優しいだけではなく、経営側にとっても極めて合理的な仕組みである点にあります。
ビジネスモデルを解剖すると、不要なものを削ぎ落とす「引き算の美学」が見えてきます。
人件費と設備費のミニマリズム
従来のジムで最大の固定費(毎月必ずかかる費用)は、人件費と水回り(プールやシャワー)の維持費でした。
チョコザップはこれらをバッサリと切り捨てました。 店舗は「完全無人運営」とし、清掃や備品補充は巡回スタッフや会員のセルフサービスに委ねています。
また、シャワーを設置しないことで、工事費だけでなく水道光熱費や漏水リスク、複雑な清掃コストを排除しました。
この「削ったコスト」をそのまま低価格な月会費に還元しているからこそ、他社が簡単に真似できない圧倒的な価格優位性が生まれています。
セルフエステ・脱毛という「ついで」のマネタイズ
ジムにエステや脱毛、さらにはカラオケやワークスペースを導入したのも、計算された戦略です。
これらはすべて「セルフ(自分で行う)」形式。 本来なら数万円するようなサービスが、2,980円の中に含まれているという「お得感」は、継続率を高める強力な武器になります。
「今日は運動する気分じゃないけれど、エステだけ寄っていこう」という動機付けが、サブスク(定額課金)モデルにおいて最も重要な「退会の防止」に直結しているのです。
データドリブンなマーケティング
チョコザップは広告運用も独特です。 2,000種類以上のバナー広告をテストし、どの画像や文言が最も反応が良いかをデータで判断しています。
「マーケティングの内製化」により、広告代理店に任せるよりも遥かに高速で改善サイクルを回しています。
これは、リソース(資源)が限られている個人ビジネスにおいても、非常に参考になる姿勢です。
会社員がビジネスで成功するための「チョコザップ流」転用術

さて、ここからが本題です。 あなたが今の会社を離れ、あるいは副業としてビジネスを始める際、チョコザップの戦略をどう応用すればいいのでしょうか。
1. 「スキルの高さ」よりも「アクセスの良さ」を売る
副業を始める際、多くの人が「自分には特別なスキルがない」と尻込みします。
しかし、チョコザップが証明したのは、最高品質のトレーニング指導がなくても、生活動線の中にある「利便性」だけで勝てるということです。
あなたのサービスも、専門性で勝負するのではなく「日本一相談しやすい」「5分で解決する」といった、ユーザーの心理的・時間的ハードルを下げる工夫にチャンスがあります。
2. 「不の解消」をターゲットにする
ビジネスの原点は、顧客が抱えている「不満・不安・不便」を解消することです。
もしあなたがライターやデザイナーとして副業をするなら、「高品質な成果物」を売る前に、「修正依頼が面倒」「連絡が遅い」といったクライアントが抱える小さな「不」を徹底的に潰してみてください。
「即レス・明朗会計・マニュアル不要」といったチョコザップ的な手軽さを提供するだけで、選ばれる理由は十分に作れます。
3. オペレーションの無人化(自動化)を最初から考える
本業を持つ会社員にとって、最大の敵は「時間」です。
チョコザップが無人運営でスケール(拡大)したように、あなたの副業も「自分が動かなくても回る仕組み」を意識しましょう。
予約システム、決済、納品後のFAQ対応など、ツールを使って自動化できる部分は徹底的に自動化する。
「自分が働いた時間=収入」という労働集約型のモデルから脱却することが、起業を成功させる絶対条件です。
まとめ
チョコザップの成功は、決して奇跡ではありません。
「誰もが運動すべきだと思っているが、面倒でやっていない」という、目の前にある巨大なニーズに対し、徹底的にハードルを下げて応えた結果です。
「3%の上級者」ではなく「97%の一般層」に目を向けること。
「足し算」で豪華にするのではなく「引き算」で手軽さを追求すること。
そして、テクノロジーを駆使して「無人化・効率化」を突き詰めること。
これらのエッセンスは、これから新しい挑戦を始めるあなたにとって、強力な羅針盤となるはずです。
市場に完璧なサービスは必要ありません。
ただ、誰よりも「始めやすい一歩」を提示できる人が、これからの時代のブルーオーシャンを制するのです。
おわりっ。
