ビジネスモデル解剖

【爆速1200万DL】サントリー「ジハンピ」に学ぶ、勝てるビジネスモデルの作り方

【爆速1200万DL】サントリー「ジハンピ」に学ぶ、勝てるビジネスモデルの作り方
ども、tempaです。
tepma

喉が乾いたその瞬間、目の前にある自販機。小銭を探す手間を省くためにスマホを取り出したものの、アプリの起動が遅かったり、Bluetoothの接続がうまくいかなかったりして、結局「現金でいいや」と諦めた経験はありませんか?

日本の自販機業界は、長らく日本コカ・コーラの「Coke ON」が圧倒的なシェアを誇ってきました。

スタンプ、歩数計、サブスクリプション。あらゆる機能を盛り込んだCoke ONは、自販機アプリの完成形に見えました。しかし、その後ろ姿を猛追し、2025年3月の全国展開からわずか1年で1200万ダウンロードという驚異的な数字を叩き出したのが、サントリーの「ジハンピ」です。

なぜ、サントリーは今さら自販機アプリに参入し、これほどまでの成功を収めることができたのか。そこには、将来の起業や副業を見据える僕たちが絶対に知っておくべき「勝てるビジネスモデル」の極意が隠されています。業界の王者が作り上げた壁を、サントリーがどうやって「軽やか」に飛び越えていったのか。その戦略を、ビジネス視点で深く解剖していきましょう。

この記事をざっくり

  • 個人情報登録を廃止し、開始までのハードルを極限まで下げたことが爆発的普及の起爆剤となった。
  • 先行するCoke ONの「多機能ゆえの重さ」を徹底的に分析し、決済スピードとシンプルさで差別化に成功。
  • 完璧なプロダクトを目指さず、顧客の「最も面倒な一瞬」を解決することにリソースを集中させる戦略は個人ビジネスでも最強の武器になる。

 

巨大な先駆者の「隙」を突く。ジハンピが証明した後発優位の真髄

ビジネスの世界では「先行者利益」という言葉がよく使われます。先に市場を作った者が、顧客を囲い込み、有利なポジションを築く。

自販機アプリ市場においても、Coke ONの存在はまさに巨大な壁でした。しかし、どれほど優れたサービスであっても、長く続けば必ず「淀み」が生じます。

サントリーが目をつけたのは、Coke ONが進化の過程で手に入れてしまった「多機能ゆえの複雑さ」という弱点でした。

多機能化という罠。顧客が本当に欲しかったのは「おもてなし」ではなく「速さ」だった

Coke ONは素晴らしいアプリですが、その多機能さゆえに、アプリの容量が大きく、起動に時間がかかるという側面がありました。また、Bluetooth接続という特性上、自販機との通信に数秒から十数秒の待機時間が発生します。さらに、利用開始には氏名や生年月日などの個人情報登録が必須です。

一方で、ジハンピが徹底したのは「引き算」です。 ジハンピは利用開始時の個人情報登録を一切不要にしました。SMS認証さえ済ませれば、最短60秒で使い始めることができます。さらに、接続にはNFC(タッチ決済)方式を採用。アプリを立ち上げて自販機にかざすだけで、ほぼ瞬時に決済が完了します。

この「個人情報を登録する面倒」と「接続を待つストレス」という、先駆者が解決しきれなかった小さな不満。ここをピンポイントで、かつ圧倒的なクオリティで解決したことこそが、ジハンピの勝因です。後発として勝つためには、相手と同じ土俵で戦うのではなく、相手が「重くなって動けない部分」を見つけ出し、そこを軽やかに突くことが重要なのです。

54億円のバラマキは無謀か?緻密に計算された「LTV」と「コスト削減」の数式

ジハンピの普及を加速させたもう一つの要因は、「初回3本無料」という破格のキャンペーンです。300円以下の商品が3本無料。ユーザー1人あたり最大900円、1200万ダウンロードなら単純計算で数百億円規模の投資になります。実際には利用率や原価の兼ね合いがありますが、それでも54億円規模のコストが動いていると考えられます。

一介の会社員からすれば「そんなリスクは取れない」と思うかもしれません。しかし、この投資の裏には、極めて合理的な収益改善のロジックが組み込まれています。

独自の経済圏を作らない。既存の「共通ポイント」に乗っかる賢い寄生戦略

多くの企業は、自社サービスを立ち上げると「独自のポイント」を作り、ユーザーを囲い込もうとします。しかし、ユーザーからすれば、また新しいポイントを管理するのは面倒でしかありません。

ジハンピはここでも「引き算」を行いました。 自社ポイントをメインに据えるのではなく、楽天ポイント、dポイント、Pontaポイントといった既存の巨大なポイント経済圏と連携したのです。ユーザーは普段使っているポイントが貯まるからジハンピを使う。サントリーは独自のポイントシステムを維持・管理するコストを削減し、同時に既存のポイント会員という巨大な集客装置を味方につけました。

さらに、このキャッシュレス化は自販機運営のオペレーションを劇的に変えます。 現金利用が減れば、小銭を回収する頻度が下がり、集金に伴う人件費や防犯コストが削減されます。また、アプリを通じて「誰が、いつ、どこで、何を買ったか」というデータがリアルタイムで手に入ります。これにより、AIを用いた在庫の最適化が可能になり、配送効率が向上する。 「3本無料」という派手な広告の裏には、これらの「運営コストの極小化」という確固たるリターンが計算されているのです。

「ジハンピ式」でライバルを出し抜く3つの鉄則

さて、このジハンピの成功事例を、僕たちの副業やスモールビジネスにどう落とし込むべきか。

将来、自分だけのビジネスを立ち上げたいと考えているあなたに、3つの具体的なアクションを提示します。

1. 完璧主義を捨てて「最速の解決」を売る

副業を始めようとすると、多くの人が「あれもこれもできる完璧なサービス」を作ろうとして、結局リリースできずに終わります。 ジハンピが教えてくれるのは、顧客にとって最も価値があるのは「便利さ」よりも「速さ」と「手軽さ」だということです。

例えば、Webライティングの副業なら「どんなジャンルも書けます」ではなく「YouTube動画を送ってくれれば、24時間以内にブログ記事にします」という、スピードと手軽さに特化したサービスの方が需要があります。機能を増やすのではなく、相手の「手間」を一つ消す。この視点が、個人が後発で勝つための絶対条件です。

2. 「会員登録」という心理的障壁をナメてはいけない

ジハンピが個人情報の登録を捨てたように、あなたのサービスも「相手に何かをさせる手間」を極限まで削ってください。 公式LINEに登録してもらう、アンケートに答えてもらう、会員サイトを作ってログインしてもらう。これらはすべて、顧客にとっては「コスト」です。 「DM一本で依頼完了」「決済は普段のPayPayでOK」といった、顧客が今持っているツールだけで完結する仕組みを作る。この滑らかさが、あなたのサービスを選ばせる決定打になります。

3. フロントエンドで「損」をしてバックエンドで「得」をする

サントリーの「3本無料」は、マーケティング用語で言うところの「フロントエンド(集客商品)」です。 副業でも、最初は利益を度外視してでも「圧倒的な体験」を提供すべきです。 「初回の相談は無料、かつ具体的な改善案を3つ出す」といったように、相手が驚くほどの価値を最初に差し出す。そこでファンになってもらえば、その後の継続案件や高単価な「バックエンド(収益商品)」の成約率は飛躍的に高まります。 「損して得取れ」という言葉は古臭く聞こえますが、デジタル時代の今こそ、その信頼獲得のスピードがビジネスの成否を分けます。

まとめ

サントリーの「ジハンピ」が、Coke ONという巨大な先行者がいる市場で大成功を収めた事実は、僕たちに大きな希望を与えてくれます。 「もう市場は飽和している」「あの人が先にやっているから無理だ」 そう思える場所であっても、既存のサービスが抱える「わずかな重さ」や「小さな面倒」を見つけ出し、そこを徹底的に削ぎ落とすことができれば、必ず勝機は見つかります。

ビジネスを難しく考える必要はありません。ジハンピのように、誰よりも速く、誰よりも簡単に、目の前の人の「喉の渇き」を癒やす。そんなシンプルな追求から、あなただけの「勝てるビジネスモデル」を構築していきましょう。

まずは、身近なサービスを使っていて感じた「ちょっと面倒だな」という違和感をメモすることから始めてみてください。それが、あなたの次のビジネスの種になるはずです。

おわりっ。

 

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